ワ◯ラ特別篇について

 先日、W◯FLの追いコンがあった。自分たちの下の下の代の追いコンで、二次会のみの参加だったのだが、開会にやや遅れて到着し座った席の近くには、追い出される代である現四年生、つまり自分の二代下の後輩が三人座っていて、相変わらずこちらが恐縮してしまうような物言いをされて、いやいや今日はそちらが気を使われる側の立場でしょうと、まあつまり相変わらず変な形式性の戯れに捉えられてしまうのだった。

 で、自分の作品の話が出た。新歓などの行事のたびに流すんですよ、とか言われ、自分はたびたびこの作品を振り返って考えてみたりするのだが、この頃もちょうどそうしていた時期で、語ろうと思えば語れたのだが、そんな話の流れになることをこの時の自分は拒んだ。

 なぜかといえば、この時自分がこの作品について語りたかったのは、この作品のいいところ、よくできていると思うところであり、つまり猛烈な自画自賛がしたかった。もちろんダメなところについても話せたし、自分がいいと思うところを他の人はどう思っているのかを聞きたかったが、前提としてあったのは自分の作品をべた褒めしてやろうという気持ちだった。で、久しぶりにサークルに、それも後輩が主役の場に来たOBが、いきなりする話ではどう考えてもないだろう、お酒の力を借りないととてもできない、と思って、その話はしなかったわけだ。

 でも、と思う。仮に表面的にだったとしても自分の作品に好意的に接してくれて、かつ社会人になってしまっては数年前の大学時代の他人の作品のことなんてまともに取り沙汰しようはずもない後輩たちの最後のサークルの場である。すでに十分遅い話題であるとしても、最後の、そして絶好の機会だっただろう。

 たった二週間ほど前のことだが、今はその日すら昔のことのようだ。

 

 未だに縋りたくなるような、また縋らせてくれるような作品を一つ作れたことは間違いなく幸せなことだろうけれど、未だにそれに縋ってしまうことは不幸であるような気もする。あの作品について、作った当の本人だからでももちろんあるのだろうが、未だに自分は色んなことを語れる。とにかく、良くも悪くも大事な作品である。